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JichiNaviメディア編集部
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自治会とは何だろう?(その1)
「自治会」とは、住所などの地名の範囲を一つの単位とし、そこに住む人々が自主的に設立している自治組織である。地域によっては、「自治会」と呼ばず、「町内会」や「町会」などの呼び方があるが、おおむねその目的は共通している。

人々が送る、衣食住の生活の中で、住んでいる地域の安心安全は必要不可欠なものであり、これが「不安」で「危険」な住環境であったならば、人々はその土地を離れるか、強烈なストレスを抱えたままの生活を強いられることになるだろう。

災害などで、住んでいる場所に「不安」や「危険」を感じると人々は「避難」をする。「避難生活」という言葉があるが、それは日常ではなく、非日常のきわめてストレスのかかる状態であることは容易に想像がつく。だから、住環境として、「安心安全」を求めることは、当然のことである。

ふと世界に目を向けると、決して「安全安心」な場所で生活を送っている人が大多数だとは言えない。まだまだ多くの人々が、危険と隣り合わせの生活を強いられている現実がある。紛争が絶えない地域があったり、戦火により住み慣れた土地を離れなければならなかったり、個々としては「平和」を望んでいても、大きな流れには逆らえず、意図せず不利益を被っている地域もある。

マスコミの報道を見る限り、この記事を読んでいただいている地域は、本当に平和な土地なのだと思い知らされる。生活をする上で、命の危険にさらされている人は少数派であり、大多数が、日々、身の危険を感じることなく生活ができている。家族で過ごせる日々があるだけで、大いに幸福と言えるのであろう。

だが、人間には欲がある。現状よりももっと幸せになりたい。現状よりももっとお金を稼ぎたい。自分と誰を比べるかによって、自分が幸せなのか、そうではないのかの基準が変わる。自分よりも上を見れば、その欲には切りがない。だが、それが人間というものだ。

「自治組織」も似ている部分がある。現状よりももっと「安心安全」に。これが最大の目的であるが、なかなか数値化しにくいものであるためゴールが無い。だからこそ、継続して取り組み続けることに意味があると言える。終わりの無い継続検討を住民同士で議論を重ね、住んでいる町がどのような町であるべきかの話し合いの機会を持ち続けることが必要だ。

さぁ、ここで考えてみて欲しい。誰もが必要なことだと考える「安心安全」な地域を作るには、どうしたらよいのだろうか?
質問を変えると、「安心安全」な地域であるために、あなたは具体的に何をしているだろうか…

ここで話は少し変わるが、子どものころには当たり前にあったことが、大人になると当たり前ではなくなってしまうものがある。それは、「半強制的に上下関係の無い集団の一員になる」ことだ。

わかりやすく言うと、幼稚園や保育園は一定数の組に分かれて生活を行う。また、小学校や中学校は、自分の希望とは別の力でクラスに分けられ、学習を行う。高校や大学は、自分の学習したい分野に合わせて通う学校を選択できるが、一定数の単位でのクラス分けは免れない。

子ども時代や学生時代には、仲良くない他者と同じクラスに分類されることが当然であるのだが、これが社会人になるとそうではない。

会社に入ると、辞令により配属先が決まるであろうが、配属先では年齢が異なる上下関係のある集団に属し、先輩方から見れば、仕事力においてはるかに劣った存在であるため、とても、対等であるとは言えない。同期入社の友人がいるかもしれないが、新人研修が終わるとそれぞれ別の部署に配属される。たまたま同じ部署に配属されても学生時代のような同世代の集団と呼べる人数ではないのがほとんどだ。趣味やサークルに属したとしても、それは比較的価値観が似ている人間の集まりであり、任意で加入や脱退が可能だ。

つまり、「半強制的に上下関係の無い集団の一員になる」ことは、学生時代で一旦終了する。
新社会人になって、しばらくは仕事をすることが生活の中心になるが、仕事にも慣れてきた頃に、再び半強制的に集団に属する時が来る。それが、「自治会」である。

記事が長くなりすぎているので、続きは次回へ…
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2022/04/04 14:11 更新
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