今回は、行政が発表する災害の警戒レベルについて考える。正しい内容を忠実に伝えるために、以下はJichiNavi独自の考えではなく、行政が発信している情報を掲載する。

2019年の出水期（６月頃）より、自らの判断で避難行動をとることができるように、水害・土砂災害について、市町村が出す避難情報と国や県が出す防災気象情報を、５段階に整理し、その際とるべき行動も併せて伝えることとなりました。
市町村から、警戒レベル３又は警戒レベル４が発令され地域にお住まいの方は速やかに避難してください。

～警戒レベル１～
「災害への心構えをたかめよう。」
※早期注意報【気象庁が発表】

～警戒レベル２～
「避難に備え、ハザードマップ等により、自らの避難行動を確認しましょう。」
※洪水注意報、大雨注意報【気象庁が発表】

～警戒レベル３【高齢者等は避難】～
「避難に時間を要する人（ご高齢の片、障がいのある方、乳幼児等）とその支援者は避難をしましょう。その他の人は、避難の準備を整えましょう。」
※避難準備、高齢者等避難開始【市町村が発令】

～警戒レベル４【全員避難】～
「速やかに避難先へ避難しましょう。公的な避難場所までの移動が危険と思われる場合は、近くの安全な場所や自宅内のより安全な場所に避難しましょう。」
※避難勧告、避難指示（緊急）【市町村が発令】
（避難勧告（緊急）は、地域の状況に応じて緊急的又は重ねて避難を促す場合などに発令）

～警戒レベル５～
「既に災害が発生している状況です。命を守るための最善の行動をとりましょう。」
※災害発生情報【市町村が発令】
（災害発生情報は、災害が実際に発生していることを把握した場合に可能な範囲で発令）

●必ず警戒レベル１〜５の順番で発令されるとは限らないので注意しましょう。
●避難指示（緊急）は状況に応じて緊急的に、又は重ねて避難を促す場合等に発令されます。ただし、必ず発令されるものではありません。
●災害発生情報は災害の発生を把握した場合に可能な範囲で発令されます。ただし、必ず発令されるものではありません。
また、「防災気象情報」で、警戒レベル相当の情報は以下の通りです。
※【国土交通省、気象庁、都道府県が発表】

～警戒レベル３～
・氾濫警戒情報
・洪水警報
～警戒レベル４～
・氾濫危険情報
・土砂災害警戒情報
～警戒レベル５～
・氾濫発生情報
・大雨特別警報
※これらは、住民が自主的に避難行動をとるために参考とする情報です。

「命を守るための避難行動」
危険な状況での避難はできるだけ避け、安全の確保を第一に考えましょう。
危険が切迫している場合は、指定された避難場所等への移動（立ち退き避難）だけでなく、近隣の安全な建物などへの避難や、屋内のより安全な場所への移動（屋内安全確保）が必要な場合もあります。

●避難場所への移動が危険と思われる場合は、近くのより安全と思われる建物（最上階が浸水しない建物、川沿いでない建物等）に移動しましょう。
●外出すら危険と思われる場合は、建物内のより安全と思われる部屋（上層階の部屋、山からできるだけ離れた部屋）に移動しましょう。

「避難における心得」
●「避難しよう」と判断するのはあなた自身です。避難することで助かるのは、「あなたの命」であることを強く認識してください。
●過去の災害で大丈夫だったからといって安心できません。過去より悪い方向に状況が進む場合があります。
●実際には災害が発生せずに、「避難したことが“空振り”に終わったとしても、”被害がなくて幸運だった”と前向きに受け止めましょう」
●避難勧告等が発令されている区域はあくまでも目安です。その区域外でも、危険を感じたら速やかに避難する必要があります。

このことから考えさせられるのは、「避難とは、避難所に移動することだけが避難ではない」ということだ。避難指示が出ていても、行政が準備している避難所に移動しなければならないということではない。自分が今いる場所よりも行政が準備している避難所の方がより安全であれば、それは移動すべきであるし、自分が今いる場所の方がより安全であれば、そのまま待機すべきである。

つまり、警戒レベルを「より安全な場所への避難」ととらえるならば、「避難」が対象外の人はいない。災害発生が危惧される状況において、「より安全な場所」に「避難」することを心掛けて欲しい。警戒レベルは、それを促すためのサインなのである。